2025年7月31日に第1期エリアがオープンした「国家鉄道博物館」。
朝の開館9時半に突撃し、柴電工場(ディーゼル工場)の見学を終え、ちょうどやってきた休日限定乗車体験の藍色のディーゼル客車「藍皮仔」のお姿を拝見したあと、「大禮堂(講堂)」を見学。
前回の記事では、講堂見学のレポのついでにランチにいただいた開幕記念の休日限定販売の食堂弁当を紹介したが、実は最初に行動を見学した後、続けて隣の建物の見学に行っていたのでご紹介したい。
講堂の隣、市民大道に面した建物は「員工澡堂」、すなわち従業員用大浴場だ。がぁこさんの今回の国家鉄道博物館参観で、2つ目に楽しみにしていたのが、ここなのだ。
大浴場は1935年の工場開設と同時に使用が開始された。その①の記事で少し触れた「2012.08.11 Fun暑假,臺北機廠文化巡禮&松山文創園區」というイベントで来た時、がぁこさんは大浴場の建物の構造美に萌えまくった記憶がある。
元画像は探せなかったが、アルバムにしていた縮小画像を見るとこんな感じ。
当時のカメラの性能がイマイチなので写真も今一つなのはご容赦いただきたいが、半円を描く天井をもつカマボコ形の浴場内に、円形の浴槽が配されているのがお分かりいただけるだろう。写真に写っていないが、円形の浴槽は二つ並んでいた。
2012年の段階では、まだ工場機能が残っていたため浴場も現役で、奥の脱衣所のスペースには従業員の方が使用するロッカーと、物干し場までそのまま見ることができた。
やっぱり、鉄道車両の整備とか組立って、油と埃だらけになりますよね。仕事が終わったら家に帰る前に現場で汚れを落としてから帰りたい。何なら、その場で軽く洗濯もしたい――そんな、従業員さんたちの生活がとても身近に感じられた見学だった。
そして時は流れ、2025年8月。
2012年の印象が強いけど、改修を経た現在の大浴場はどうなっているのか、とっても楽しみだった。
まずは講堂側から見た外観。こちらは2012年とほぼ変わりない。カマボコの部分は外から見ると、アール・デコ様式の建物の美しい造形が分かりやすい。
ちなみに大浴場の建物は、2000年に台北市の古跡の指定を受けていて、2015年には国家古跡にも指定されている。
そして入口は北二門側。建物の美しさが損なわれる感じだけど、アルバムを見たら2012年当時もトタンが張ってあった(当然、今の方が新品で綺麗になっているが)ので、保存という意味では正しいのかな。
大浴場の建物は、地上からは見えないけど、上空から見ると十字型になっている。「十」の字の横棒の部分が浴槽のあるカマボコ形の建物で、その上下に長方形の脱衣所がくっついてる感じ。
Google先生の航空写真を見ると、脱衣所はどちらも同じ長さで、脱衣所の横幅とカマボコの一番長い部分の幅はあまり変わらないので、十字というよりは、裏返した昆布巻きみたいかも。(どんな例えだ・汗)
閑話休題。
大浴場では常設展「氤氳時代(スチーム時代 大浴場展)」を開催していた。
北二門側の入口から入ったスペースは、台湾の近代建築を紹介する展示で、1930年代に建築された、当時の台湾を代表するアール・デコ様式やストリームライン・モダン様式の建物が紹介されている。
1930年代といえば、日本でもモダニズム建築が流行し始めた時代。日本統治時代初期の台湾の駅や官公庁の建物は、辰野式ルネサンスに代表されるように、重厚で装飾が美しい格調高いデザインが主流だったが、モダニズムはその逆で、無駄な装飾を省き、機能性を重視した水平線と垂直線で構成されるデザインの建物だ。
展示では、現存する建物とすでに取り壊された建物をあわせて、白い模型とカラーイラストで1930年代の傑作と言える建物たちが紹介されている。それぞれの建物のいわれや特徴も紹介文に描かれていて、ひとつ一つ読んでいくとかなり時間がかかるが、がぁこさんは古い建築萌え属性もあるので、大変楽しめた。
この展示スペースからカマボコの間の短い通路には浴室で使う桶やスリッパなどの日用品が置いてあって、2012年当時の様子が思い出された。
浴槽のあるカマボコを挟んだ反対側の脱衣所スペースは、2012年に見たロッカーの一部をはじめ、当時の備品や建物の部品、工場が国家鉄道博物館に生まれ変わる間に見つかった遺物などが展示されている。こちらも時間があれば、じっくり見ると面白そう。
そして、中央のカマボコ形の大浴場。
壁も塗りなおされて、すっかり綺麗になっているけど、2012年当時の面影がしっかり残っていて感激!
上の写真の、入口から見て右側の浴槽はロープで囲ってあって近づけないようになっていたので、恐らく元のまま保存されているのだろうと思う。
左側、市民大道側の浴槽は、ボイラー部分がボイラーの形を再現したオブジェになっていて、ちょうど私が見学した時には、ボイラー部分からスチームが出る演出が行われていた。
しかも、中に火がついていて、水が沸騰して蒸気を生み出している様子も再現されているうえ、部品が動いていたりと、とても芸が細かくて、子供さんだけでなく大人にも大人気になっていた。もちろんわたくしも張り付いて見学しましたわよ!
従業員用大浴場、ほんとうに大充実の展示で見ごたえがあった。しかも、館内はエアコンが効いているから、じっくり見学できるし、休憩もできて一石二鳥。
期待通りの展示でした。がぁこさん的には、常設展の中ではディーゼル工場に続いて2番目におすすめです!
みなさんも、ぜひじっくり時間を取って参観してみてください♪
国家鉄道博物館 第1期エリア開幕参観記⑤につづく~
国家鉄道博物館(MAP)
住所:台北市信義區市民大道五段50號
時間:09:30~17:00(最終入場16:30)、月曜休館(祝日は開館、翌日休館)
入場料:「柴電工場常設展」だけ100元、そのほかは無料で参観OK
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