台北市の北に位置する北投は、有名な温泉地。
冬に温泉につかりに行くのもいいけれど、そのほかの季節にお散歩しに行くのにもピッタリのエリアだ。
温泉の源泉、温泉博物館、ご当地グルメ、歴史スポットなど、じっくり歩いたら1日でも足りなくなるくらい、見どころ満載なのだ。
さて、6月のとある休日。
朝起きて外を見ればお天気が良かったので、久しぶりに北投に遊びに行くことにしたがぁこさん。
頭の中では、MRT新北投駅から新北投駅、地熱谷、温泉博物館、元気があったら坂の上のそのほかのスポットを一回りして、北投公園の中を歩いて駅前まで帰ってきたら、そのままMRT北投駅方向に足をのばし、北投市場でランチ、という感じの予定を思い描いていた。
そんなわけで、やってきたMRT新北投駅。
時刻は10時半過ぎ。最初の目的地は予定通り、MRT駅の南側、駅の1番出口を出てすぐ右手にある階段を下りた道路の向かいに佇む木造駅舎「旧新北投駅」だ。
旧ブログで紹介した気もするけど、その記事がどこにあるか見つからなかったので改めてご紹介しよう。
この「新北投駅」は日本統治時代に建てられた鉄道の駅で、1916年(大正5年)に設置された「新北投乘降場」が前身だ。
これより前の1913年(大正2年)に北投温泉の湯を使った北投公共浴場と北投公園が完成しており、行楽客を北投に運ぶために鉄道の淡水線を延伸してできた駅だ。
新北投駅が完成してから大幅に増加した行楽客に対応するため、1937年(昭和12年)には駅舎が三分の一拡張された。現在の木造駅舎はこの改修後の駅舎が元になっている。
戦後は1988年に鉄道が廃線となると、駅舎は彰化県の民俗村に移築・保存された。また、廃線となった鉄道路線後には、その後MRTが建設された。
2016年に元の所在地に近い場所である、現在の七星公園内に再移築され、2017年から一般に公開されている。2018年には台北市の歴史建築に指定されている。
さて、まずは木造駅舎から見学しよう。
駅舎正面から見て、瓦屋根に「牛の目窓」と呼ばれる丸窓が4つ並んでいる。これは台湾鉄道の木造駅舎によくみられる特徴のひとつだ。1916年の駅開設当時は3つで、1937年の増築の際に現在の4つの窓になったという。
建材のほとんどが新しい木材に置き換わっているので、新築の建物かと思うかもしれない。
その印象は間違いではなく、2016~2017年当時の台湾メディアの報道によると、彰化から台北に再移築する際に、台北市が選定した業者が建材を保存する過程で、多くの建材が破損、紛失してしまったため、現在の駅舎の建材は、7割以上が新しいものだということだ。
また再建設する際にもいろいろあって、外観や建材、工法に誤りが多々存在するとのこと。こういった歴史的建造物の修復工事における破損や誤った施工による改悪の問題は、台湾だけでなく、世界各地で起こりえる問題だろう。残念だが、このような失敗が未来に怒らないよう、教訓として生かされていくことを願う。
ほぼほぼ新築な新北投駅だが、よく見るとところどころに元の建材が使われている部分が確認できる。
例えば、駅舎正面や駅舎からホームに向かう改札口の軒下の透かし彫りの装飾は昔のもの。こうした、昔の面影を探すのも一つの楽しみ方になるのではないだろうか。
駅舎内部は、駅の歴史を紹介するパネル展示やグッズ販売のコーナーで、お土産などを探すのにぴったりな場所になっている。
駅舎の裏には、復元された駅ホームと台湾鉄道で実際に使用されていた日本製の客車が展示されている。
がぁこさん的には、こちらの客車の方が萌え度が高いですわよ。
この展示車両は、台湾鉄道でかつて「藍皮車」と呼ばれて親しまれていた青い塗装の客車1両で、現在は資料館として利用されている。しかも、この車両「35TP32873」は日本製なんですって! 親しみわいちゃうでしょう!?
昔のエアコンなかった時代の、扇風機の車両よ!
シートに座って外見てると、本当に鉄道の旅をしている気分になれちゃう。時間があったらずっと座ってたいくらい楽しい!
昔の写真や文物なども置かれていて、展示もしっかりしているから、駅舎本体よりもこちらの方が滞在時間長くなると思う。
もちろん、ホームで電車を待つ風とか、レトロ車両ちゃん単独でとか、各種写真撮影を楽しむのにも最適!!
ライトな鉄子として萌え散らかしたら、駅舎の前に戻って手湯でひと休み。
すっごく気持ちがいいんだけど、あいにく6月の台湾はすでに夏なので、暑くて汗だくになってすぐにギブ。でも手湯、すごいおすすめですよ!
さて、次の目的地の「地熱谷」に向かうとしよう!
北投散歩②につづく~
新北投車站(MAP)
住所:台北市北投區七星街1號
時間:10:00~18:00、月曜休館