総統府から出てきて、次の目的地「国史館」にむかう。
総統府の裏の博愛路を、先ほど来た南に少し戻って1分かからない、最初の角の右手前方にある白っぽい建物がそれだ。
ここは私、勉強不足で今回初めて存在を知った。前は何回も通ったことあるけど、「国史館」という名前で史料館として公開してるというのは知らなかった。
今回ここに来ることにしたのは、事前にGoogle先生の地図を見ながら見学順路を考えているときに、たまたま目に入ったからである。さらに公式サイトを見たところ、平日の朝9時半から16時半までの公開なのに、総統府の休日特別参観日は国史館も参観を実施しているということだったので、併せて見学しようと思った次第。
正面玄関の前に立って建物を眺めると、総統府とはまた違った重厚かつ華麗な佇まいの建物だ。
入口には文化部文化資產局による台北市の市定古跡の認定プレートが設置されていた。
それによると、こちらの建物の前身は、「台湾総督府交通局逓信部(ていしんぶ)」。設計は台湾総督府営繕課技師の森山松之助。先ほどの専売局と同じですね!
建築様式は西洋の古典主義建築で、外観は1階に石垣を模した壁、中央に大きなアーチ型の玄関、2階には12本の壮麗なギリシャ風複合柱を配した非常に重厚で壮麗。
同じく森山氏が設計した専売局や彼が設計の手直しを請け負った総督府の「辰野式」とは異なるスタイルだ。
建物の完成は1924年で、当時は3階建てだったとある。戦後は郵政や通信関連の部署が使用していたが、手狭になりよそに移転。現在この建物は「国史館」として、歴代の総統や副総統、国の重要人物や歴史などについての展示を行っているとのこと。
玄関から中に入ると、守衛さんに「見学ですか?」と聞かれたが、特に記名などもなく無料で自由参観できた。
ホールや中央階段などを見た感じ、専売局や総統府と比べると、かなり地味に感じる。
それでも、階段にギリシャ風の円柱が配されていたり、重厚な美しさがある。シックよね。
2階もシックで素敵な空間。
完成当時の様子を再現したミニチュア模型があったけど、まさにギリシャ神殿風で萌える。当時の車とか人力車、お役人や兵隊さん?とかまで、細かく再現されていて、これ見てるだけでも楽しい。
中央階段近くの広い部屋では、元総統の李登輝氏について紹介する特別展「関鍵1991 李登輝と台湾民主元年」を開催中だった。
この方は国民党に所属されていた総統だけど、台湾の民主化を進めた方で、日本でもよくお名前は聞いたことがあるのでは。
特別展では、李登輝氏プロフィールや政治活動の業績をまとめたパネルのほか、私物なども展示されていた。
こちらは執務机でしょうか。いろいろな証書や文書の写し?なども並んでいた。
こちらは李氏のスーツ。背がお高い方だったのですね。
次に見学したのは台湾の茶産業についての展示。
お茶の歴史や文物に関して紹介していた内容もよかったけど、椅子がいくつも置いてあって、エアコンがきんきんに効いた部屋で座って展示を眺めながら休憩できるのも素晴らしかった。
他にも台湾の野球についてや選挙制度についてなどの展示があったが、そちらはさらっと見て回って終了。
あと一番興味深かったのは、この建物の成り立ちや建築そのものについての紹介コーナー。
この建物の建材や建築方法、日本統治時代の建物の建築様式の移り変わりなども紹介されていて、古い建築好きにはここが一番価値ある展示だと思う。
この日はあと3か所は古跡を回りたかったので時間が足りず、じっくり細部まで展示の紹介文を読むまでできなかったが、また機会があったらゆっくり見に行きたいと思う。
気が付けば、11時40分を回っていた。
身体もくたくただが、お腹もペコペコだ。次の目的地に向かう前に、まずはお昼にしたい。
2025全国古蹟日6古蹟参観記④につづく~
国史館(MAP)
住所:台北市中正區長沙街一段2號
通常の参観時間:月曜から金曜の09:30~16:30
参観無料
ここまでの散策ルート(MAP)
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