とある日の会社にて。
部署の同僚や上司と雑談をしていた時に、「大滷麵(だーるーみぇん)」という麺の話になった。
わたしはその大滷麵を食べたことはないが、そういえば、実家の父親がテレビだか雑誌だかで見て、食べてみたいといってた気がする。けど、どんな麺かあんまりよく知らない。
後でWikipedia先生にお聞きしたところ、「大滷麵」は「打滷麵」とも書き、中国の北の方の麺料理だそうだ。「打滷」というのは、スープにとろみをつけて麺にかけることを指すのだという。台湾には、1949年以降に国民党と一緒に台湾に来た軍人などの「外省人」の人々から伝わった様子。
上司「昔はたくさん店があったんだよね」
私 「へえ、どういう麺ですか?」
上司「昔、僕が食べてたのは透明っぽいスープで、白菜、豚肉、エビなんかが入ってて、とろみをつけてあった。今は茶色いスープのお店が多くて、ちょっと酸辣湯麺みたいになってるけど、あれだとちょっと違うと思うんだ。麺は細くても太くても、どっちでもいいの。店や好みによるよね」
上司の昔話を聞いていると、なんかその、大滷麵というものを食べてみたくなったがぁこさん。
Google先生におうかがいすると、毎日のように夜のウォーキングで通りかかるMRT大安駅そばの信維市場1階にある「王家刀切麵」にも、メニューに大滷麵があるということが分かり、さっそく仕事帰りに立ち寄ってみた。
「王家刀切麵」はものすごいローカルな佇まいのお店。客席は主に店頭の通路に出してあるテーブルで、注文票に食べるものの数を記入してお店の人に渡して、席で待っていると出来上がった麺を持ってきてくれる。お支払は食べ終わってからでよかった。注文を取ってくれたやや若い人が物腰柔らかでとても親切だった。
私が頼んだのは、もちろん大滷麵(小)80元。
運ばれてきた大滷麵さんがこちら。小だけど、結構量がある。
このお店の大滷麵のスープは、たぶん上司の思い出の味の透明スープとは違う、白濁したシチューみたいな色だった。
具材は豚肉の細切り、木耳、人参、青菜、溶き卵で、とろみがついてるから、たしかに味付けが違えば酸辣湯になりそう。
スープを飲んでみると、鶏ガラスープに豚肉と野菜ぶっこんだ、ごった煮スープみたいな味がする。牛肉麺メインのお店だからベースは牛骨か豚骨スープかもしれないが。
ちょっと塩味が強めだけど美味しい。うん、やっぱりルーで作るホワイトシチューの、水少な目で濃ゆく作ったときの味に似てるかも。味が濃いので、お茶用意したい感じ。
刀切麺はムッチムチ。正直申し上げて、スープより麺が美味しい。麺が超いい!
ちなみに、「刀切麺」と「刀削麺」は違うものなんだそうだ。違いは字の通りで、麺の生地の塊を麺状に「切る」か、塊の表面を「削る」かの違いなんだって。
脳内で食レポしながら黙々と大滷麵を食していると、突然、隣の席のおじさんから指導が入った。
「お嬢さん、ここは牛肉がすごいんだ!(指で形を作って)これくらいでかい牛肉が5~6個(7~8個って言ったか?忘れた)入ってて150元だよ!(汁なしの)乾麺でもいい、とにかく牛肉を頼まないと!! あ、牛肉単品か牛肉湯でもいいな、とにかく牛肉だよ!!」
と熱く語られた。
そうなのか。
急に語られてビビったけど、おじさんがそこまで言うならすごそうだな。
次回は牛肉を食べに来ようと思った、がぁこさんであった。
大滷麵は、また機会があったら、ほかの店でも試してみよう。
ごちそうさまでした♪
王家刀切麵(MAP)
住所:台北市大安區信義路四段60-66號
時間:11:00~20:00、日曜定休